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いったん離職しても大丈夫、望めば自分次第でいつでも社会復帰できることを知っていただきたいな、と思います。

鹿児島県農業共済組合連合会 家畜臨床検査研修センター

出身大学:
鹿児島大学
卒業年次:
1998年(平成10年)
現在の所属:
鹿児島県農業共済組合連合会 家畜臨床検査研修センター

卒業後現在までの略歴

H10~H11
小動物病院勤務
H12
長男出産
H13
長女出産
H14
夫の研究留学に伴い渡米 アメリカの大学にてパート勤務
H19秋
帰国
H20
第4、5子 双子出産
H23~H26
会社パート勤務
H26~
現在の職場 週4日勤務の嘱託職員として勤務

現在の職場に決めた動機を教えてください。

相次ぐ出産、夫の仕事の関係で渡米するなど、卒業後長い間人並みの給料をいただく職に就いたことがありませんでした。長い子育て期間を経て、社会復帰を目的に会社のパート勤務を開始、その後5人の子育てと仕事、信仰生活を両立すべく、時短勤務もしくは週4勤務を希望していたところ、嘱託職員として今の会社に雇用していただきました。
正直、何をしている会社か詳しくは理解しないまま、社会のお役に立てるならどんな仕事でもする、と思い就職しました。

現在のお仕事内容を教えてください。

牛群検診(代謝プロファイルテスト)

その他検査業務

研修会、講習会の事務等

仕事のやりがいを教えてください。

栄養指導、飼養管理の提案により、農家の経営改善、飼養管理の効率化、増収につながるための間接的な働きができる、また現場の獣医師の治療や農家指導のバックアップとしての働きにやりがいを感じています。

これまでに経験したエピソードを教えてください。

現職に就くまで、牛に関する知識の全くなかった私を雇用して下さった会社に本当に感謝しています。月に5~10日ほどは農家に出向いて採血、餌や飼養管理の聴き取り、採血結果からの栄養指導や飼養管理の提案を行います。今も先輩獣医師や農家さんに教えられることが多く、農家さんや牛とのふれあいに喜びを感じます。また、提案を受け入れて下さり農場の経営、繁殖成績が良くなった、とレスポンスがあるときは本当にこの仕事をしていてよかったと思えます。
子供が5人もいるので私にとって家の中は「戦場」、職場が「憩いの場」、と言えます。出張日を同僚獣医師、農家、現場の獣医師との話し合いで決めるので、ある程度の日程調整ができ、子供の学校行事に参加も可能ですし、おおよそ定時に退社できていることもありがたいと思っています。

これから獣医師を目指す学生さんや、現在活躍中の女性獣医師のみなさんに伝えたいメッセージをお願いします!

私の場合、長い子育て期を無職あるいはパート勤務で過ごしました。 私が大きな影響を受けた母の言葉があります。「獣医師の資格があるからといって獣医師になる必要はないよ、あんたが幸せでいるのが一番いい。」

当時その言葉で肩の力が抜け気持ちが楽になりました。でも、現在はその資格に助けられて仕事をしており、やりがいも感じています。

女性獣医師は特に卒業後、結婚等を機に夫の仕事や子育て、介護等、と自分の仕事との両立に困難を感じる場面が多いかと思います。それはやはりキャリアアップを目指したい、離職によるスキルの低下を心配する、など資格があるが故の悩みではないでしょうか? 大切なことは自分の選択です。何が今一番大切か、その中で子育てに集中する、あるいは離職もありだと思います。いったん離職しても大丈夫、望めば自分次第でいつでも社会復帰できることを知っていただきたいな、と思います。その時に獣医師という資格は役に立ちます。 ただ、仕事と子育てを両立したい、と望む女性獣医師が増えていることも事実です。私の職場の周りでは、女性獣医師の職場環境改善のために議論が活発になっており、改善しようとする機運が高まっていると感じます。

現在、仕事をしている獣医師(男性含め)は今後、女性獣医師に働きやすい職場環境を提供できるよう努めることで、自分自身の働く環境が良くなる、ということを理解し協力してほしいと思います。