農林水産省動物検疫所成田支所動物検疫第1課
- 出身大学:
- 酪農学園大学
- 卒業年次:
- 平成22年(2010年)
- 現在の所属:
- 農林水産省動物検疫所成田支所動物検疫第1課
卒業後現在までの略歴
- 平成22年3月
- 卒業
- 平成22年4月
- 動物病院に就職するが3ヶ月で退職
- 平成22年8月
- 動物検疫所成田支所旅具検疫第2課(臨時的任用職員)
- 平成24年4月
- 農林水産省消費・安全局動物衛生課
- 平成24年10月
- 動物検疫所動物検疫課
- 平成25年4月
- 動物検疫所関西空港支所検疫第1課
- 平成27年10月
- 動物検疫所成田支所動物検疫第1課(現職)
動物検疫所に勤めることになった経緯を教えてください。
大学卒業後は動物病院に就職したものの、退職しました。その理由は、小動物臨床の獣医師は自ら開業するのが主流で、会社員として長く勤めている人が少ないこと。私自身、「将来的に子育てをしながら続けることができるのか」という不安を感じていましたし、独立開業している自分も想像しにくいものでした。そこで40代、50代という将来的なキャリアをより描きやすい、動物検疫所への転職を希望したのです。もともと私は在学中から公務員に興味があり、公務員講座や霞が関OPENゼミ、動物検疫所実習を受けるなど、動物検疫所への関心もありました。仕事を通じて海外とつながりを持つことができるところも、動物検疫所を志望した理由のひとつです。
動物検疫所のお仕事内容を教えてください。
動物検疫所は動物・畜産物の輸出入検疫を行っています。関西空港では旅客の手荷物検査や犬猫の輸出入検疫が主な仕事でした。現職では馬、豚、家きんやうさぎといった動物の輸出入検査(臨床観察、細菌検査、血液検査等)を行い、国内への家畜の伝染病の侵入を防いでいます。獣医師として日々動物に接し、検査をすることが主な仕事ですが、実は空港で動物の管理を担当する管理人さんとのコミュニケーションも重要なポイント。私たち以上に動物と長時間接している管理人さんから些細な異常も聞き漏らさないことが、病気を早期に発見することもつながります。
どんなときに仕事のやりがいを感じますか?
動物検疫所の魅力は、自分の仕事が日本の安全につながっているというやりがいを感じられるところです。そのことに身をもって気づいたのは、入省1年目のとき。新聞から業務の関連記事を切り抜く仕事があったのですが、毎日必ず切り抜く記事があり、自分の携わる仕事が社会と繋がっていると感じることができました。さらに、各国の疾病発生情報や社会情勢も業務に関わってくるため、海外とのつながりも感じられる仕事だと思います。職場の雰囲気もとてもよく、一緒に仕事をしていて楽しい人が多いと感じています。
女性の目から見て、現在の職場環境はどう感じますか?
動物検疫所は女性職員が多く、出産休暇や育児休暇、育児短時間勤務制度等を活用し、仕事と家庭の両立をしている方も沢山います。結婚する・しない、子供を持つ・持たないなど様々な選択肢がありますが、なるべく多くの選択肢を選べることは大切だと思います。私自身はまだ独身ですが、将来結婚・出産することになったとしても、ぜひこの仕事を続けていきたいですね。
大型の動物と接することに不安を感じることはありませんか?
勤務地によっては千頭規模の牛を診なければならないといった体力的に大変な職場もあるのですが、私が今働いている成田支所では大型動物といっても良く慣れた乗用馬が多く、私自身、馬に接するのが好きですので、特に不安は感じません。動物の飼養管理は専門の管理人さんがしてくださるので、女性だからといって苦労したことは特にありません。最初は慣れない環境にストレスを感じていた馬たちがだんだんなついてくるのを見ると、かわいいなあと思います。検疫が終了して馬たちがいなくなるときは、ちょっと寂しくなりますね。
今後の目標を教えてください。
動物検疫所での仕事は多岐にわたります。私がこれまでに経験したのはターミナルと係留施設ですが、そのほかにも船で届く畜産物を取り扱う貨物担当や、横浜にある企画部門などもありますし、さらに専門的な精密検査に携わるチャンスもあります。転勤が多いということはネックでもありますが、反対に私は積極的にいろんな分野に挑戦してみたいと考えています。ちなみに、動物検疫所勤務の獣医師が農林水産省、内閣府、厚生労働省などに出向し新しい仕事に挑戦することも可能ですし、海外へ派遣される獣医師もいます。自分の興味のあることを実現するチャンスは本当に豊富なので、アグレッシブな人にも適した職場だと思います。