それでも自分なりに頑張れる方法を考え、試行錯誤した結果、今があるのだと思います。
ベリイどうぶつ病院
- 出身大学:
- 酪農学園大学
- 卒業年次:
- 平成3年度(1991年)
- 現在の所属:
- ベリイどうぶつ病院
卒業後現在までの略歴
- 京都府宇治市 林屋動物診療室
- 京都動物検査センター内 浦動物病院
- 帯広市食肉検査事務所 嘱託職員
- 現在
- ベリイどうぶつ病院
出産後のブランクを経て動物病院院長となったそうですが、その経緯について教えてください。
私は酪農学園大学を卒業後、しばらく京都の動物病院で働いていました。結婚後帯広市で食肉検査事務所の嘱託職員として2年ほど勤めた後、出産を機に退職。その後しばらく育児に専念していました。仕事を離れてみて、もう一度小動物診療の仕事がしたいという気持ちが強くなり、家族の後押しもあり、ベリイどうぶつ病院を開業しました。
お仕事の中でどういったことを大切にしていますか?
病院には、犬・猫・ハムスター・ウサギ・小鳥、時にはリクガメなど様々な動物を連れて飼い主様が来られます。以前勤務していた病院の院長・副院長が、飼い主様のお話を丁寧に聞き、優しく説明をし、大切に患者(動物)を診察する姿に感銘を受けました。その初心を忘れずに、日々の診察に生かしていきたいと思っています。飼い主様の信頼を得ることが、良い診察・治療に結びつくと信じています。
動物の病気をうまく治療するコツのようなものはあるのでしょうか。
視診・触診・打診・聴診といった基礎検査を怠らないことと、飼い主様のお話をよく聞くことだと思っています。動物の病気の原因が、飼養環境によるストレスであるケースも珍しくありません。「最近うちの犬が毛をかきむしるんです」と言って来院された方にお話しを伺うと、毛が抜けだした頃から、その方の帰宅時間が遅くなり、それがストレスになって、毛をかきむしっていたようです。しかし、仕事の都合で飼い主様の生活を変えることもできません。そこで、「お出かけをする前に、この子の目をしっかり見て、“ちょっと遅くなるけど、必ず帰ってくるからお留守番お願いね”と声をかけてあげてください」とお伝えしました。それで犬は安心して、飼い主様の帰りをおとなしく待つことができるようになり、皮膚のただれも治まりました。そのように動物たちが元気になってくれると嬉しいですし、飼い主様の心配そうな顔が笑顔に変わっていただけたことが、また、動物達へのプレゼントになったと思います。
仕事と育児の両立では苦労されましたか?
二人の子どもが中学校を卒業するまではかなり忙しく、頭の中が常に仕事と家事でいっぱいという状態でした。そのためか注意力も散漫になり、しょっちゅう足や腕をいろんなところにぶつけたりしていましたね。仕事でミスをしないように気を張っていたためか、その分子どもを迎えに行くのを忘れたり、学校への提出物を出し遅れたり、失敗は数え切れません。
仕事と家事が忙しい状況を、どのように克服されたのですか?
診療時間を短く設定し、時間外は、予約をしていただきました。振り返ってみると、「出産後の復帰が早すぎたのかもしれない」と感じることもありますが、同時に、あのとき頑張っていなければ、今こうしてこの仕事を続けることはできていなかった、とも思います。