鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院 特任助教
- 出身大学:
- 東京大学
- 卒業年次:
- 2005年(平成17年)
- 現在の所属:
- 鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院
卒業後現在までの略歴
- 2005.4
- フジタ動物病院(埼玉県上尾市)勤務
- 2016.7
- 鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院 特任助手
- 2017.5
- 同 特任助教
現在の職場に決めた動機を教えてください。
主人の鹿児島への赴任に伴い、それまで勤めた動物病院を辞め、鹿児島に転居しました。移動当初は特に勤務の宛てもなかったのですが、前職場での小動物歯科診療の経験を生かした専門的な治療をしたいと考えていたので、鹿児島大学に獣医療研修生として所属し、その後、特任助手として採用していただきました。
現在のお仕事内容を教えてください。
現在は、大学病院で小動物を対象とした二次診療を行っています。私は主に歯科・口腔疾患の患者さんを担当し、歯周外科手術、口腔外科手術などを担当しており、週に2日、歯科手術日を設けて治療にあたっています。
また大学病院で地域の夜間救急診療も行っているため、2週に1回程度、朝までの夜間救急診療業務も担当しています。
病院では診療と学生のポリクリ実習の指導も行います。その他に、地域の開業獣医師向けの定期学内セミナーを担当したり、学会で講演を行ったり、専門誌での執筆や臨床研究などを通じて、小動物歯科臨床の分野に少しでも貢献できればと考え日々の業務に取り組んでいます。
仕事のやりがいを教えてください。
日本では、他の分野に比べ、小動物歯科の分野はまだまだ確立されていません。しかし小動物歯科治療のニーズはこの10年で激増しており、獣医学教育がそれに追いついていないのが現状です。ずっと悩まれていた口腔内のトラブルを診断し適切に治療することで、犬猫のQOLが上がり、飼い主さんに感謝の言葉をいただくと、この道を選んで良かったと思います。
また大学で小動物歯科に携わる立場として、今まで歯科を学ぶ機会のなかった獣医師の先生方や学生への啓蒙・教育も重要な役割の1つと考え取り組んでいます。
これまでに経験したエピソードを教えてください。
前勤務先で勤務5年目に妊娠・出産・育休を経て職場復帰しました。復帰後は時短勤務で勤務していましたが、特に子供が小さいうちは急な発熱で呼び出されることも多く、負担をかける同僚への申し訳なさ、納得いくまでしっかり仕事をしたいという気持ち、母親として子供との時間を十分とれず申し訳ないという気持ちのジレンマに悩まされました。
身内や周囲の何気ない一言に落ち込むこともあり、特に復帰後1年は周囲の負担になっているだけではないのかという葛藤を抱えながら、日々の仕事と育児、家事をこなすことで精一杯でした。あるとき、自分の中で、どれも完璧にこなすことは難しい、できる範囲で全てをやろうと考え、もっとちゃんとやりたいというジレンマは、この道を選んだ自分が甘んじて受けると割り切りれるようになりました。それからは少し楽になり、この転機のおかげで仕事を辞めずに続けてこられたと思います。